種を蒔く/Semear
2007
2008年、ブラジルの日系移民の人々が初めてブラジルの地を踏んでから100年になります。サンパウロ近代美術館(MAM)との100周年共同プロジェクトにより、2年間計3回の渡伯を経て、撮影はブラジル各地の日系社会だけにとどまらず、川内 倫子はいくつもの大自然とそこに棲む生き物、人々の生活やカーニバルまでを撮り下ろしました。
サンパウロ、ベレン、トメアスー、カンピーナス、ロンドリーナ、イグアス、パンタナール、ボニート、リオ・デ・ジャネイロ、サンルイス、レンソイエス・マラニャンセス……ブラジルでの一瞬一瞬が、圧倒するほどのエネルギーを含みながら、時には懐しく、そして美しく繊細に刻まれています。異なる人種や文化、貧富の差、ハレと ケ、それぞれが濃密に混ざり合う国。混沌の中に沸き上がる生命のリズム。そこにはブラジルで見つけた川内倫子の新境地が広がっています。
わたしが見たかったのは、轟音とともに流れ続けるイグアスの滝の悪魔の喉笛のように、いろんなものを飲み込んでしまうようなブラジルの持つ力だったのかもしれない。
―あとがきより
タイトル
種を蒔く/Semear(セメアール)
デザイン
角田純一
仕様
A4版変型|ソフトカバー|184ページ
定価
2,800円+税
ISBN
978-4-902943-20-7
出版社
フォイル
刊行年
2007年